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2007年 04月 23日
本当は優劣などない
■NHKスペシャル トリアージ 救命の優先順位~JR福知山線事故から2年~
 緑・黄・赤・黒の4色で重傷度を判断できる一枚の紙。私が初めてこの紙の存在を知ったのは多分ドラマ「救命病棟24時」だったと記憶しています。 そこでも混乱の中医師の統率も取れず、なんとか判断していたような描写だったと思いますが、同時に「ただ色で判断するだけ」の描写だったとも思います。

 今回の番組ではJR福知山線脱線事故時の救命救急、およびトリアージの残した課題を番組にしたものでした。
■医師
 ・的確な判断と同時にスピードも要求される能力
 ・患者に「ランク」をつける事への感情

 軽症者から重症者までを4段階に判断する中でも、さらにその色の中での軽症者、重症者がいる事。それを素早く判断しなくてはいけない能力を育てていかなくてはいけない課題があります。
 また通常時にも変わりなく命の重さと常に向き合っているのですが、ランク付け「しなくてはいけない」状況はさらなる重責を与えます。判断をしていた医師のインタビューで「感情は殺していた」とも言っていました。

■患者
 ・自分のトリアージへの理解
 自分のトリアージを事故時に認識していたという方のインタビューがありました。確かに理解はしていたと話していましたが、かなり慎重に言葉を選ぶその様子は、やはり「ランク付けされた」自分の症状への不安・懐疑心が見て取れました。
 
■遺族
 ・何故私の家族はこのトリアージ・タッグの色だったのか
 「黒」のトリアージをつけられ搬送もされずに死んでいった人の遺族は、混乱の中につけられたトリアージが唯一のよりどころになってしまう。しかしそのトリアージ・タッグには、何故「黒」なのかという判断基準も、ジャッジした医師のサインもなく、ただ「この患者は黒である」という現実のみを伝えるものだった。
 そんなトリアージが、この事故では多数あったそうです。



 ただただ人命を救う事に集中できるよう、トリアージ・タッグ記入方法のマニュアル化と、消防等の各所と連携の取れる指揮系統、医師の力、まだまだ学ばなくてはいけない事はあるでしょうが、少しでも今回の事故で生まれた不安が次の事故では減るように頑張って欲しいものです。


 同時に、もし私たちないし家族がトリアージでジャッジされる時、心を強くもたなくてはいけませんね。

by far_gaia | 2007-04-23 23:21 | その他


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